滑原鉄工所
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矢印 オタフク滑車
概要

 滑車とは、ワイヤーロープをシーブ(車輪のようなもの)に巻きつけて、ワイヤーの向き(力)の方向を変える機械です。古くから井戸の釣瓶などで使われてきました。
 当社の「オタフク滑車」は40年余りの製品供給実績を基に、日々改良を図っており幅広いラインアップで、林業、土木工事を始め、ゴルフ練習場のネット張り、船具など多岐にわたる業界でご愛用いただいております。

索道工事 ゴルフ練習場
索道工事 ゴルフ練習場 船 具



選び方

   まず、ワイヤーロープの取り回し、滑車の配置レイアウトを決めます。
 次にワイヤー張力、径、種類、速度など諸条件を決めた上で下記手順により機種の選定を行ってください。
  ・ 機種選び  

 シャックル式
シャックル式
単純な構造のため、使用荷重を大きくとれますが、滑車の取付向きによりシーブの方向が決まりますので、ワイヤーの取り回し計画を厳密に決める必要があります。
また、下図のようにシーブの向きを90度変えるためには途中にリングなどを加える必要があります。
土木工事などクレーン用途として使用されるのは、ほとんどがこのタイプです。
大型の15サイズまであります。
首廻り式 首廻りの部分が回転するため、滑車の取付方向にかかわらず、シーブの向きを自由に設定出来ます。
滑車の取付向きが決まっている場合でも、ワイヤーの取り回し計画の変更に柔軟に対処ができます。
首廻りの先端は、小判型のオーフ式、着脱の容易なハッカー式があります。ゴルフ練習場のネット張りなど、設備の一部としてご使用の場合はオーフ式を頻繁に着脱する場合は、ハッカー式が最適です。
オーフ式 ハッカー式
首廻りオーフ式 首廻りハッカー式



滑車取付例 滑車取付写真



  ・シーブ径の選択
 ワイヤーロープには、シーブに沿って曲げられる際に曲げ応力が発生します。この曲げ応力は曲げ半径が小さい(シーブ径が小さい)程大きくなり、疲労破断によりワイヤーの寿命が短くなります。一方、シーブ径を必要以上に大きくすると滑車価格が高価になり非経済的です。  
 そこで、これらのバランスを考慮して各業界で法規や規則などで D/d (シーブピッチ円直径とロープ径dとの比)が規定されています。滑車のシーブ径の決定は、使用用途に関連した法規などをご確認のうえ決定してください。
 一般的な土木工事で関連する「クレーン等各構造規格」で定められている D/dこちら です。  
 また、シーブは耐摩耗性に優れた焼入れシーブ(Hタイプ)を用意しています。クレーン設備のように常時ワイヤーを高速で巻き取る場合はHタイプを、ネット張りのようにワイヤーをあまり動かさない場合はFタイプ(焼き入れ無し)を、ご選択ください。



  ・使用荷重の確認
使用荷重とは、下記のとおりです。荷重よりワイヤー張力を計算し、仕様表の使用荷重以下になるようにご確認ください。

 ―使用荷重―

使用荷重とは 滑車の取付部分 (シャックル・オーフ・ハッカー)に作用する力のことを言います

右の図は
  使用荷重=2Tcosθ  となります
       (T:ワイヤー張力 θ:ロープ角度)


例えば 井戸の釣瓶のように真上に滑車を取付けて (θ=0)荷物を上げる場合は
  使用荷重=2×荷物の重量   となります


※ 実際には抵抗損失が発生しますので、上記の計算の5%程度の余裕を考慮してください  
使用荷重図




安全にお使いいただくために
  
  ・折りピンの固定
 
 シャックルの固定は多くの機種で、折りピン式になっております。
 索道などで滑車を寝かせてご使用の場合は特に、ロープ張力が0から変動する場合、荷重衝撃で折りピンが抜け落ちる場合があります。
 折りピンは右写真のように、番線などで固定してご使用願います。



  ・シーブ溝のロープ傷
 
 稀に、シーブ溝にワイヤーロープの形をした傷が入る場合があります。
 これは、焼入れシーブ(Hタイプ)の場合でも同様で、特に林業など同一荷重でも土木に比べて小さいサイズの滑車をご使用になる場合に多く見られます。ワイヤーロープが均一にシーブに当たっていないことなどが原因と思われます。

 林業などでご使用の場合でも「クレーン等各構造規格」のD/dを参考に大きい径のシーブの使用をご検討ください。
 当然ワイヤーロープの寿命ものびます。



  ・滑車内角側周辺 立ち入り禁止
 
 ワイヤーロープの引っ掛かりなど予想しない荷重が作用する場合があります。
 一般的には巻き上げ機に過負荷制御機能があるケースは残念ながら少数です。
 
 従って、滑車が壊れワイヤーロープが跳ねることを前提にし、滑車の内角側周辺には立ち入らない作業計画をお立てください。
  
内角側周辺図



  ・定期点検  
 
 ワイヤーロープと同様に滑車についても定期的に点検を行ってください。  



仕様表

サイズ 6・7・8 10 12・15
SB型
ボタンをクリック



(シャックル式1車)
SB3F  SB4F/H   SB5F/H SB6〜8F/H SB10F/H SB12,15F/H 
SBW型
ボタンをクリック



(シャックル式2車) 
   SBW4F/H SBW5F/H  SBW6〜8F/H    
 SBO型
ボタンをクリック



(オーフ式首廻1車)
 SBO3F  SBO4F/H SBO5F/H  SBO6〜8F/H SBO10F/H  
SBOW型
ボタンをクリック



(オーフ式首廻2車)
   SBOW4F/H  SBOW5F/H  SBOW6〜8F/H    
SBH型
 ボタンをクリック


(ハッカー式   
   首廻1車)
   SBH4F/H  SBH5F/H SBH6〜8F/H SBH10F/H  
SBHW型
ボタンをクリック


(ハッカー式   
   首廻2車) 
  SBHW4F/H  SBHW5F/H  SBHW6〜8F/H    

  上の表の型番をクリックしてください。別ウインドウで仕様表が開きます。


○ Hタイプ(焼入れシーブ)は、サイズ4以上からご選択できます。
○ サイズ5以上はシーブ当たり2個のベアリングが入っており、給脂用のグリスニップルを装備しています。
○ サイズ3は、フレームが電気メッキ仕様となっています。サイズ4からは塗装仕上げです。

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